FOOD & WELFARE

おいしさと、
働く喜びを。

「彼らだからできる」を、仕事の価値に。
一人ひとりの強みから、料理と働く場をつくっています。
出番を待つ、バッターボックススタイル。らんどね 空と海、2018年。
出番を待つ、バッターボックススタイル。らんどね 空と海、2018年。

PHILOSOPHY

「彼らだからできる」
という価値を。

今日も楽しく。らんどね、2020年。
今日も楽しく。らんどね、2020年。
石臼で小麦を挽く。根気のいる仕事は、根気のある人へ。
石臼で小麦を挽く。根気のいる仕事は、根気のある人へ。

福祉の現場で出会ったのは、根気よく一つの作業に向き合う人、細かな手仕事に力を発揮する人たちでした。得意なことも、その力が生きる場面も、一人ひとり違います。

らんどねでは、利用者の皆さんが客席の脇の椅子に座って出番を待ちました。1番の人が料理を運んで戻ったら、列のいちばん後ろへ。みんなが椅子をひとつずつ動いて、次は2番の人が行く。「バッターボックススタイル」と呼んでいました。足腰が弱くて疲れやすい人も、座って待てる。戻るときのハイタッチが、お店の景色でした。

隠すのではなく、堂々と働いて、みんなに見てもらう。私が大切にしているのは、「彼らだからできる」という視点です。その人が担う仕事によって、一皿の価値が生まれる。食べる人がそのおいしさを楽しみ、また訪ねたくなる場所を、皆さんと一緒につくっていきたいと思っています。

ORIGIN / CHIBA

始まりは、
森のランチ会。

大皿スタイルが定番だった、らんどね 空と海、2019年。
大皿スタイルが定番だった、らんどね 空と海、2019年。

千葉で借りていた畑で、野菜と一緒に綿を育てていました。機織りを教わろうと近くの福祉施設を訪ねたことから、皆さんとの交流が始まりました。

そのご縁から、月に一度のランチ会へ。食べたいものを聞き、料理をつくり、食卓を囲む。料理を楽しみに待っていてくれる人がいることが、私にとって大きな喜びになりました。

第1回の森のランチ会。木のボードから、みんなで。2016年4月。
第1回の森のランチ会。木のボードから、みんなで。2016年4月。
畑のそばで、大皿を。
畑のそばで、大皿を。
森のレストラン、初めてのピッツァ窯。2016年7月。
森のレストラン、初めてのピッツァ窯。2016年7月。
リクエストのおやき。2016年10月。
リクエストのおやき。2016年10月。

2017年には、福祉レストラン「らんどね 空と海」の立ち上げに関わり、2020年末までシェフを務めました。おいしい料理を届けることと、一人ひとりの持ち味が生きる仕事を考えること。その二つが、ここでつながりました。

開店の年の冬。畑から始めた。
開店の年の冬。畑から始めた。
常に笑顔溢れる場所
常に笑顔溢れる場所
トルッキオでビーゴリを。体重が調味料。
トルッキオでビーゴリを。体重が調味料。
いつでもユーモアを忘れない2人
いつでもユーモアを忘れない2人
押し出したての手打ちパスタ。
押し出したての手打ちパスタ。
メニューの絵は、利用者さんの作。
メニューの絵は、利用者さんの作。
数字が読めなくても、色は分かる。だから色と数字で。
数字が読めなくても、色は分かる。だから色と数字で。

WORK IN THE DETAILS

一人ひとりの得意が、
お店の日々をつくる。

粉を挽く、薪を割る、床を磨く、道具を使う。レストランが開くまでにも、食べ終わったあとにも、さまざまな仕事があります。らんどねでは、その一つひとつに手をかけることを大切にしていました。

01

小麦を石臼で挽き、粉からピッツァへ。

石臼で小麦を挽いて粉にし、その粉でピッツァを焼いていました。じっくりと手をかける工程を、根気強く取り組む人の仕事に。一皿ができるまでをたどると、一人ひとりの働く姿が見えてきます。

粉から、ピッツァへ。
粉から、ピッツァへ。
挽きたて。
挽きたて。
02

地元の梨の古木を、ピッツァの薪に。

船橋で処分に困っていた梨の古木を引き取り、薪割り機で割って、乾かして、窯の燃料にしました。皆で窯に陶片を貼り、ピッツァを焼く。地域の困りごとから生まれた仕事が、レストランの一皿につながりました。

梨の古木を、割る。
梨の古木を、割る。
乾かして、窯の火に。
乾かして、窯の火に。
薪窯の炎。
薪窯の炎。
石臼の粉と、薪の火で。
石臼の粉と、薪の火で。
03

コーヒーの粉を、床磨きに。

コーヒーを淹れたあとの粉で、床を磨いていたこともあります。一杯を楽しんだあと、その粉をお店の手入れにも生かす。調理や接客に加えて、気持ちよく過ごせる場所を整えることも、らんどねの日々の仕事でした。

布袋の中身は、毎日出るコーヒーの絞りかすを乾かしたもの。磨くほどに、ケヤキの床が飴色になっていきました。

乾かしたコーヒーの絞りかすを布袋に。毎日、床を磨く。
乾かしたコーヒーの絞りかすを布袋に。毎日、床を磨く。
クリスマスの朝。サンタ帽で掃き掃除。
クリスマスの朝。サンタ帽で掃き掃除。
04

コーヒーを淹れる姿から、道具を選ぶ。

エスプレッソマシンは、シンプルな操作で扱えるマニュアル式に。レバーを引いてコーヒーを淹れる、かっこいい姿を思い描いて選びました。道具も、働く人の持ち味や誇りを生かすための大切な要素です。

真鍮のマニュアル式エスプレッソマシン
操作する姿を思い描いて選んだ一台。2017年。
石臼コーヒーは、お客さん自身に挽いてもらった。
石臼コーヒーは、お客さん自身に挽いてもらった。
05

手づくりのものに囲まれて、食べる。

テーブルや椅子、クッションカバー、ランチョンマット、制服。店内には手づくりのものがたくさんありました。和紙のカーテンや、コーヒー袋で包んだ植木鉢も。料理を楽しむ空間にも、手仕事の温かさを重ねていました。

真鍮の棒と苔玉のコウモリラン。
真鍮の棒と苔玉のコウモリラン。
「オフィス」と頼んだら「OFIS」。可愛いのでそのまま。
「オフィス」と頼んだら「OFIS」。可愛いのでそのまま。
コロナの春の、手作りの仕切り。
コロナの春の、手作りの仕切り。
手打ちの真鍮スプーン。
手打ちの真鍮スプーン。
06

大切な器を、自分たちの現場で直す。

作家さんの器を長く使いたいと思い、金継ぎを学びました。日々の仕事の中で続けられる方法を探すうちに、合成うるしで直す手仕事へ。器の修復を通じて知った楽しさは、今の「かんたん金継ぎ」の講座にもつながっています。

割れた皿は、店で直す。らんどね、2020年。
割れた皿は、店で直す。らんどね、2020年。
今も続く手仕事。
今も続く手仕事。
07

カカオ豆から、チョコレートを。

カカオ豆をひとつずつ手で剥き、メランジャーで一週間かけて練る。バレンタインには数十枚しかできないチョコレートでした。

豆から作る、店のチョコレート。
豆から作る、店のチョコレート。
ミルク不使用の手作りホワイトチョコレート
ミルク不使用の手作りホワイトチョコレート

さんびおへ、続く手仕事 / 2024

ラテを注ぐ手元。カフェさんびお、2024年6月。
ラテを注ぐ手元。カフェさんびお、2024年6月。
当時の記録:薪窯で初めて焼いた日
らんどねでの取材を読む(IDEAS FOR GOOD/2020年)
今のかんたん金継ぎ講座を見る

LEARNING

現場の経験から、
介護福祉士へ。

らんどね最後の年。2020年。
らんどね最後の年。2020年。

福祉施設で働きながら積んだ実務経験を土台に、受験に向けて勉強を重ね、介護福祉士の国家資格を取得しました。

料理人としての経験に、福祉の知識を重ねる。一人ひとりの得意なことや、必要な支えを知り、現場の皆さんと一緒に仕事を組み立てる。今の活動にも、当時の学びが生きています。

PRACTICE / SENDAI & BEYOND

仙台へ。
そこから、広がる現場。

2021年に千葉から仙台へ移住しました。宮城では「みんなのおうち 太白だんだん」の活動にも協力しました。福祉レストランでの経験は、地域の現場、事業所の運営、カフェの立ち上げ、農業との連携へとつながっています。

カフェで生まれた笑顔。
カフェで生まれた笑顔。

NPO法人BALLOON

農と食を、日々の仕事に。

共同で立ち上げたNPO法人BALLOONでは、副理事長として、就労継続支援A型・B型の多機能型事業所の運営に関わっています。農業や食の仕事を通じて、それぞれの力を発揮できる場をつくっています。

1枚1枚サンチュを収穫。BALLOON、2024年7月。
1枚1枚サンチュを収穫。BALLOON、2024年7月。
水耕栽培。
水耕栽培。

cafe symbiose

それぞれの専門を、ひとつのお店に。

千葉の「カフェさんびお(cafe symbiose)」は、オーナー、コーヒーの専門家、料理を担当する私の3人で立ち上げました。料理の分野から、就労移行支援のカフェづくりに関わりました。現在は次の事業所が引き継ぎ、福祉カフェとして営業を続けています。

ロゴが完成した日。共に始めた三人で。
ロゴが完成した日。共に始めた三人で。
トレーラーハウスの中
トレーラーハウスの中

HERALBONY / ISAI PARK

食事を楽しむ場所に、働く機会を。

盛岡のヘラルボニー「ISAI PARK」では、カフェの総監修を担当しています。街に開かれた飲食店で、福祉事業所からの施設外就労を受け入れる取り組みにも関わっています。

街に開かれたラウンジ。
街に開かれたラウンジ。
カフェのスパイスカレー。
カフェのスパイスカレー。

KOUYU / 耕佑

農業の現場と、一緒に。

BALLOON代表の伊藤さんとともに、施設外就労に取り組んでいます。施設外就労や障害者雇用を積極的に進める農業法人「有限会社耕佑(KOUYU)」とも連携し、農と福祉の現場をつないでいます。

きのこの栽培室で。
きのこの栽培室で。

MIYAGI / NOUFUKU LUNCH

宮城の農福を、
一皿に。

2025年12月3〜5日、宮城県庁18階「レストランぴぁ」で開かれた「ノウフクランチフェア」の期間限定メニューを監修しました。農福連携に取り組む県内の福祉施設などが育てた農産物や加工品を、ひとつのランチに組み合わせた取り組みです。

豚肉と香味野菜のトマト煮込み、彩り豊かな野菜の副菜、さつまいもとメープルの豆乳プリン。育てる人、加工する人の仕事を、おいしさとして食卓に届けたいと考えました。

日々の営業の中で、現場の皆さんがつくり続けられることも大切にしました。レシピと調理・提供の流れを一緒に考え、働く人にも、食べる人にも喜んでもらえる形を目指しました。

レストランぴぁでノウフクランチを前にした様子
宮城の農福の恵みを、ひとつのランチに。
県庁18階レストランぴぁのフェア案内
2025年12月のノウフクランチフェア。
ノウフクランチを味わう村井県知事。2025年12月の試食会。
ノウフクランチを味わう村井県知事。2025年12月の試食会。
担当
期間限定メニューの監修・協力
主催
宮城県障害福祉課
企画・運営
みやぎセルプ協働受注センター
会場
宮城県庁18階 レストランぴぁ(運営:社会福祉法人仙萩の杜)

12月1日の試食会では、村井嘉浩宮城県知事とともに料理を囲みました。当日の様子と取り組みは、宮城県の公式サイトでも紹介されています。

宮城県の記事を読む
フェアの内容と食材を見る

WAYS OF WORKING

さまざまな働き方に、
現場から関わる。

BALLOONを始めた3人。2024年2月。風船だけは、準備万端。
BALLOONを始めた3人。2024年2月。風船だけは、準備万端。

就職に向けた準備から、事業所での日々の仕事、企業で働くことまで。異なる仕組みの現場に関わってきた経験を、その場所に合う料理や仕事づくりに生かしています。

就労移行支援
カフェさんびおの立ち上げに、料理担当として参加。
就労継続支援A型・B型
BALLOONの多機能型事業所の運営を通して。
施設外就労
BALLOON、耕佑、ISAI PARKのカフェでの取り組みを通して。
障害者雇用
障害者雇用を進める耕佑との連携を通して。

WORK TOGETHER

ご一緒できること。

  1. カフェ・レストランの立ち上げ

    どんな場所にしたいかを伺い、コンセプト、メニュー、仕事の進め方を一緒に考えます。

  2. メニューと作業の組み立て

    厨房の設備や人数、一人ひとりの得意なことに合わせて、料理と手順を整えます。

  3. 研修と、継続的な相談

    調理や盛り付けを実際に行いながら共有し、営業が始まってからの課題にも一緒に取り組みます。

ご希望の時期や場所、現在の状況をお聞かせください。内容や期間に応じて、進め方とお見積りをご提案します。仙台を拠点に、県外のご相談も承っています。

PHOTO & STORY

一皿の向こうに、
積み重ねてきた時間。

LET’S MAKE SOMETHING TOGETHER

おいしさから、
一緒に考えませんか。

お店づくりやメニュー、日々の仕事のこと。今考えていることから、お聞かせください。

仕事の相談をする